<エコユニ2015が終わって>
代表の三田村です。2015年10月12日(月)で江古田ユニバース2015が終わった。ディレクターとしての今年の触感と関わった方たちへの御礼の言葉を書かなければならない。
江古田ユニバースは2010年に結成して、2011年に最初の展示イベントが始まり、今年は5年目(5回目)のメイン展示となった。毎年、その年の展示が終わった直後から次の年の準備が始まるので、実質1年かけて企画を練っていくことになる。


1年の準備だから1年分のクオリティーのものが出来上がるかというと、意外とそうではない。
企画スタッフの影響よりも、その年に集まったアーティスト、会場、イベント内容の方が強い影響があると感じる。
エコユニを始めてから人間一人の力がいかに小さいかということを幾度も感じている。特に近年は規模が大きくなってきており、私一人がいくら頑張っても企画を成立することができなくなった。必ず周りの人に助けてもらわなければならない状況。それだけに誰に何をお願いするのか。どれだけならお願いできるのか、など以前よりも考えていかなければならなくなった。
また企画をする上で企画の理念がきちんと伝わっていく努力を怠っていけないという事を強く感じている。


エコユニ2015は2014年〜1年をかけての準備ではあったが、これまでの5年間の蓄積が今年の成果として出たのだと強く感じる。
その成果は一つには単純な来場者数でも感じる部分はあるが、過去の展示を見て下さったお客様や過去の参加アーティストの来訪の数が増加している印象が強い。
また、参加するアーティストの質が当初と比較して格段に上がってきている点にも表れている。これは5年やってきた中で2〜3年参加するアーティストが増えてきて、底上げがされていることが理由として大きいように思う。


また、今年はエコユニAIR という新しい企画を始めた。正式には江古田ユニバースアーティストインレジデンスプログラムという、長い名称だが、要するに江古田のまちを舞台にアーティストに滞在制作をしてもらう企画だ。これまでのエコユニは主に「発表する場所・展示する場所」であったのが、今年の試みは「創作する場所・創作活動を糧として育つ場所」へと変化しようとしている。
今年は4組6名のアーティストが2ヶ月間、やきほギャラリーを会場にして参加した。初めての試みであったため、場所をお貸し下さったギャラリーのオーナー様もアーティストも様々な不安や葛藤があったかと思うが最後の成果展では、メイン展示と同じ時期に展示をし、全会場の中でもトップクラスの来場者となった。初参加の会場であったが、AIR に参加したアーティストは江古田のまちに対する興味のレベルも高く、総じて全体の展示会場・イベントにも積極的に見学していた。


その理由として2ヶ月間江古田に通ったという思い入れのレベルが他のアーティストと違っていたことが大きいように思う。
これ以上書くと長くなるので割愛するが、未だに「5年やっているのにそれなりの成果がない」とか、「内輪ウケ」のような辛辣な意見もあり、そこは真摯に受け止めて改善し、進んでいかなければならないとは思うが5年間全ての変化を目にしている人間からすれば毎年少しずつでも変化があり、その変化を肌で感じている。
来場者としては、2014年がメイン展示3107名、エコユニコミューン470名、関連企画656名、総合4,233名だったの対して、今年はメイン展示だけで4500名以上(まだ集計済みでない段階)である。メイン展示だけを見れば、出展作家が35組から30組へと減ったのにもかかわらず約45%増であり、これはこの小さなグループの数字としては驚異的だと思う。
もちろん、会場・アーティストの集客努力とその会場から他の会場誘導する努力の差はかなり大きく出ているように感じられる。また、エコユニ2〜3年以上参加しているアーティストはお客様のほうでも認知して下さっているのか、来場者が多くなる傾向もあるようだ。


ともあれ、大きな事故もなく、また去年のように台風が直撃することもなく無事に会期を終わられることが出来てホッとしている。残務が多々あり、御礼の挨拶が遅れてしまったことは悔やまれる。
参加したアーティストの皆様、会場提供の皆様、後援して下さった練馬まちづくりセンターの皆様、金銭的助成・御寄付をして下さった皆様、ご来場下さったお客様、宣伝協力して下さった皆様、実行委員スタッフの皆様、ボランティアの皆様、その他ご協力下さった皆様、心より篤く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。また江古田で会いましょう!
(江古田ユニバース代表 三田村龍伸)