2009-10-09 ■ 晴天の類い稀な力は死に近づくほど発揮された。 幼き日より死そのものと対峙してきた彼は人一倍魂で反逆した。 何度も死神を遠ざけた。物神はその姿を見るたびに晴天の魂をいとおしく思った。 生きることと悲しみは切り離せない。 別離もまた前向きな生き方であった。 物神生物学的には存在しない。だが、確かに「存在」しているのだ。世の摂理は例外ばかりだ。 物神達は人間のルールとは別に美学を持っている。 彼らはDNAによる子孫を残せないため、こと存在に対する認識および執着は鬼気迫る。