新潟四日目

今日で四日目。
今日はこれを撮ると決められているものもないので、
自分でルートを決めて妻有中を走り、野外の作品を撮っていった。
山道を右往左往する。
まだ山道は雪が残っていて、道を引き返さなければならなかった
箇所もいくつかあった。
当然作品の撮影はできない。それ以上奥に行けないのだから。
(行けたとしても作品が雪に埋まっている)

帰る前にうぶすなの家に寄って
地元の方に昨日まで撮った写真をCD-Rに
焼いた物を渡す。

本来はこの写真は彼らの物なのだ。
僕はただ撮っただけ。

「内容」は彼らに返す。
この物々交換は僕にとって
小さな行為であるが、確実なコミュニケーションであるし、
作家としての態度でもある。

脱皮する家で学んだ事。
やりたくても集団の中で抑圧されて出来なかった事。
それら過去の自分を少しでもいいから、乗り越える努力をしようと考えている。

一人で新潟にいるのは孤独だ。
拠り所がない。
バッテリーを充電する場所を確保するにも一苦労だ。

昨日も温泉地で充電していたら、断られた。
悲しかった。
多分この悲しさは充電が出来なかった事ではなくて、
拠り所がないって事からくる孤独感と悲しみなのだろう。

飲食店や温泉地でも充電は嫌がられる。
そこは東京も新潟も一緒だ。