ダニーカラバン氏 講演会

大学の座学ほうがないのでHP作りをする。
午後から武蔵美術大学に行く。ダニー・カラバンという、建築的な仕事をしている芸術家(?)の講演会に行く。イスラエル出身の人間に会うのはこれで二度目。
一度目は先日「アルナの子ども達」の上映会に訪れた映画監督のジュリアノ・メール・ハミス氏、二度目は今回。イスラエル人がパレスチナ問題をどのように捉え、考えているのかということに興味があった。
大学の後輩のFから昨日催促のメールがあったこともあり、講演会に足を運んだ。船越桂氏の講演会が同日、同大学で行われていたことを後で知った。
ダニー氏の仕事を総括してみてその土地を生かす方法を考えること。その場所の自然状態(光や風や水といったもの)を取り入れること。その二つが彼が建築するときに重要と考えるものなのではないかと思った。
彼は自身の仕事を芸術と考えているのか、仕事と考えているのか、そこにも興味があった。一つの単語、彼の使った「彫刻」という単語も気になった。
イサム・ノグチのように、地球を彫刻するという意識を持っているのだろうか。

もう一つ気になったのはナチスドイツに囚われたユダヤ人の記憶を一つのレールに暗喩的に示していたこと。民族的な悲壮感、感傷を表現に加えるときその民族が他の民族に与えた同様の「痛み」を忘れてはいけない。
ダニー氏がパレスチナ人を侮辱したといっているわけではない。そうも思わない。ただ、無関心であったろうことが作品に表れているだけ。パレスチナ人を追い込めたのはイスラエルの政治であり、軍隊であったろう。
自分の国が、自分の民族が戦争を起すとき、他の民族を脅かそうとするときに一人の市民に何ができるのだろう。もし日本が戦争を起そうものなら、僕は平和のために闘えるだろうか。

たった一つだけダニー氏にしたかった質問はできなかった。
講演会は延びて質問の時間は短かったし質問は三人までしかできなかったし、ゆっくり話し合える雰囲気ではなかったからね。
たぶんその質問にダニー氏がちゃんとした答えを出すことはできなかったろうと思う。僕にもまだ分からないから。


パレスチナ問題を解決する最もよい方法は何だと思いますか」