3331 ART FAIRに行く

●展覧会概要

3月21日(土)、3331 Arts Chiyoda( 東京都千代田区外神田6丁目11-14)に赴き、

「3331 ART FAIR」を鑑賞しました。 https://www.3331.jp/schedule/005077.html

  https://artfair.3331.jp/

 

これは名前の通り、展覧会形式で作品を鑑賞することが出来、なおかつ気に入った作品を購入することも出来るという企画である。

1階のメイン会場では67名の作品が展示されており、量的に満足度が高い。

また、参加作家にはそれぞれ「作品推薦者」がおり、業界で活躍されている学芸員の方や、アートディレクター、ギャラリストなど様々な専門のアート関係者が関わっていました。

 

 

●私の立ち位置

私は今回「プライズセレクター」として参加することとなった。

  https://artfair.3331.jp/prize/ プライズセレクターのページ

  https://artfair.3331.jp/prize_selector/prize_selector-5841/ 私のページ

プライズセレクターは気に入った作家の作品を購入することにより、「〇〇賞」という賞を授与する権利がある。審査員的な役割というと理解しやすいかもしれません。

私が前回参加した2年前の企画では作品購入をせずとも作家へのドネーション(寄付)をすれば賞を授与することが出来たのだが、今回は作品を購入しないと授与の権利がないことが最後に発覚。

 

担当スタッフに事前によく確認しておくべき点でしたが、時間の制限など、諸事情あり今回は龍伸賞を授与することが叶いませんでした。コロナウイルスの影響もあり、今回は自由に展覧会会場を出入りすることが出来ず、完全予約制だったことも影響しました。環境面(空間面、時間面)・精神面で制限がありました。

 

 

●作品評価の基準に関して

・これは良い作品で、評価したい

というのと

・この作品が欲しい、自分の家に飾りたい、自分の家に飾っても違和感がない

というのはまるで違う価値観のものだと思います。

いい作品であっても作品のサイズが巨大であれば飾ることは出来ないでしょうし、インスタレーションや映像作品などは展示方法などの問題で飾るスペースがないということもあり得ます。(今回、大型の写真作品、インスタレーション、大型の作品、映像作品など購入するとした場合、展示方法に工夫を要する作品が少なくなかった)

これに関しては「良い作品」と「欲しい作品」にはかなり違いがあるということが自分の中で確認できたことが個人的に収穫でした。

作品を購入することは作家を経済面で応援したいのか、作品そのものが欲しいのかということを問われているのかもしれません。(投資目的は除く)

 

 

 

 

●個人的に気になった作者・作品について(堀聖史さん)

 今回、「これは良い作品で評価したい」という基準で、展覧会鑑賞させていただきました。私自身としては、

 ・着眼点(アイディア)

 ・情熱

 ・純度

 ・将来性

 ・インパク

 ・この人の他の作品をもっと見たくなるかどうか

の6つの要素を基準として作品を選ぼうとしました。

 

 その中で、堀聖史(ほり さとし)さんの作品がもっとも印象に残ったので紹介させていただこうと思います。

アルバムはこちら https://photos.app.goo.gl/ozBXzH7JUt2KxrqJ9

 

 堀さんは1991年の23歳(今年誕生日が来ていれば、24歳)の若手作家です。作風としては、マグリットやダリのような非現実と現実が夢の世界の中で混ざっていくような絵画作品です。また作者のコメントにあるように、ゲシュタルト崩壊を起こしたような、カメラでいう所の焦点が合っていないボヤけた部分が入って来る点も特徴的です。

 絵画というものは立体作品と違い、物理法則に従わなくてよい分、「あいまい」で「境界線が虚ろ」で「夢のような」表現を際立出せることが出来ます。

 今回の展覧会では技術面で「スゴい!」作品や「作者はすごい考えている!」作品が多々ありましたが、なぜか「感動」につながりにくい作品も少なくありませんでした。

 それはなぜだろうと自問自答したのですが、おそらくワンアイディアであったり、技術面を追求しすぎてテーマが欠落していたり、モチーフに関する愛着がおざなりになっていたからではないかと思いました。

 堀さんが絵を描きながら見た夢のような世界を私たちも絵を通して感じることが出来ました。小さな幸せを感じることが出来ました。ありがとうございました。

 

photos.app.goo.gl

 

 

 

●最後に

 プライズセレクターとして「龍伸賞」を授与することは叶いませんでしたが、作家を応援する、アート界を応援することが今回の私の役割だと思いますので、一人の作者をピックアップさせていただきました。私の影響は大きくはありませんが、今後の堀さんの活躍を後押しできるよう、少しでも知名度アップに貢献できれば幸いです。

 展覧会全体について。全ての作品に推薦者がいるので全体的なクオリティは保証済みで、展覧会全体としては非常に楽しませさせて頂きました。私個人として自問自答した部分はありますが、展覧会全体が失敗であった、作品がつまらなかったという事ではございませんのでご注意のほどお願いいたします。