先日、江古田ユニバースのスタッフで群馬県前橋市にある、「アーツ前橋」とその近くにある「群馬県立近代美術館」に研修に行ってきました。
アーツ前橋では「白川昌生 ダダ、ダダ、ダ 地域に生きる想像☆の力」と「Art Meets 01 津上みゆき/狩野哲郎」の展示。
群馬県立近代美術館では「探幽3兄弟展 −狩野探幽・尚信・安信−」の展示がやっておりました。


白川昌生さんの展示では思想・思考と制作の関係性。
また作家が生きる社会や地域とそこで制作をすること。
または制作という行為をどこまで広げるかという課題などが提示されていたと思いました。
またフランス/ドイツ時代に書かれた大量のコンセプトノートの展示は非常に見応えがありました。通常作家の脳内で起こることが「結果として」作品に出力されるものですが、作家の脳内で起こった出来事をノートに書かれた図版や文章などで追体験出来るという機会は中々ありません。
つまり何をどう考えてこういう作品が出来上がったという行程が追体験出来るという意味で非常に重要な展示であったと思いました。


「Art Meets 01 津上みゆき/狩野哲郎」展。
狩野君は受験生時代の同期で、その後違う大学に入学したので離ればなれになりましたが色々な展示会場で出会うこともあり、彼が今も頑張っている様子が窺えて本当に嬉しかったです。昔はすごかったなどという杵柄的な話ではなく、離れていてもこうやって展示を見かける機会があるというのが一番刺激を受ける。


「探幽3兄弟展 −狩野探幽・尚信・安信−」展では古典ではありますが、日本の美術史の中でも重要度の高い、貴重な展示であったと思います。
今一般的に知られている狩野派。それがどうやって作られ、受け継がれていったのか。特に師匠が多くの中国や日本の古典の写本を作り、それを教科書として後輩に伝えていこうとしていった部分に共感を得ました。
解説文の中に『狩野派は「天才」の筆(質画)ではなく、「学習」の筆(学画)を伝えていく、なぜならそういうこそが確実に伝わっていくからだ。(天才の筆は一代で終わる)』というような内容のことが書いてあったと思うのですが、非常に共感の出来るものでした。


エコユニの中にも前に進んでいこうとする開拓精神を大事にしながらも、それをどうやって社会に影響を与えていき、人に伝え、引き継いでいくか、というような当日見学した展示と共通する課題を持っています。そのためにはチーム力の強化が必須であり、継続的な研修を今後も行っていく事が大事だと改めて考えさせられました。
なにはともあれ、非常に充実した有意義な一日でした。