相棒

相棒が頑張っている。
人に理解されず、誤解され、誤解されたことからまた誤解が生まれている。
きっと僕であれ、彼であれ、他の誰かであれ、自分の考えていることを伝えていくことは難しいのだろう。
行為の連続で示していくしかない。
行為の連続が信頼を生む。
だが、信頼ですら充分ではない。
世の中には損とか得とか、名誉や、保身が渦巻いている。
誰だって子どもの頃は邪悪さを憎み、そこから離れようとしていただろう。
だが悲しい。大人になると忘れていく。
お金を得るため、名誉を得るため、今の自分を護るため、もしくは無自覚のために。
知らず知らずの間に邪悪さを蓄える。


心地良いものしか側に置かない。
傷は隠す。
傷付いた自分にも嘘をついて生きていく。
僕は詩を忘れない。
この世界に住まう女神の息吹を。


まずは自分にとって都合の悪いものを周りに置くことを許さなければ。
汚れた水の中に住んでも尚汚れないことが求められる。
初めから純粋な魂なのではなく、汚れても尚汚れない魂。


人は嘲笑を送るだろう。
なんと愚かな目標に向かって邁進しているのだろうかと、笑うだろう。
僕は本気だ。
行為の連続が世界を変える。
小さな変化の連続。確かなもの。私がこの世界に居たと証明するもの。


足跡だけが残っていく。