色の問題

数日前に久慈君が大地を評した時、手法が変わっていないという事を言っていて、そこの部分について違和感を感じていた。
手法が変わっていないという印象(ぱっと見の問題)が変わっていなかったからといって、
作り手側が全く同じであったわけではない。


絵画でも彫刻でも表側(見た目)に作者の挑戦したことが全て出るわけではないのだけれど最終的には「見た目」の問題になる。

映像における色の深みをどうやって出すかという事にも苦心したのだけれど、マニアックすぎて誰も気が付いていない。これまでの色の使い方とかなり変わったし、変えていったのだけどおそらくきちんと見比べないと分からない。
今の色使いの方が好きだ。
色に幅が出ているし、その幅は編集段階から、気を使っている部分。
カメラで撮った時に取り入れられなかった部分はどうしたらいいのか?
絵の具を混ぜるように、映像の色使いを混ぜることによって豊かな色が出ないか?

で、何度も色を重ねるように編集していかないと出せない色になってるはずなのだ。
一発で編集して、エフェクトをかけたとか、色補正をかけた段階では出ない色を作っている。
いくつものレイヤーを重ね合わせて、それらを足したり引いたりしながら、作った色だからだ。
その色作りに関しては手法も違うし、背後にある考えも違う。
絵画のような映像を意識した時にどうすれば絵画的になるのかということ。


原色を基調とした、元気な色を意識的に使う。


色以外にも手法の変わった部分もあるのだけれど、見た目に反映されていないのだろうか?
例えば、アニメーションのような手法も使っている。
コマ撮りを映像の中に割り込ませることによって光に解けさせている。
自分としては激変ではないにしろ、前とは違った部分がそこここにある事に気が付くと思うのだが・・・。



ただ、自分は画家ではない。
きっと色だけにこだわっている作家もいるだろう。
自分がちょっと色をこねたぐらいでは駄目だ。
もっと全体的なこと。
色は全体の一部。


ただ、十日町シネマパラダイスで舞台挨拶した時には考えていなかったことも
思い出すとまだ色々と1年半近くの中で考えてきた事があったなと思っている所。


ただ、最終的には見る人が決めることであり、つまらない、面白くない、興味が沸かないという感想を持ったならば、それまでだ。
僕自身が面白くなるしかない。
もちろん、見る側の怠惰によって見落としたとか、好奇心が薄くて面白く見えないという問題もある。


万人が面白いと思うような、平均的な作品は目指していない。
そういったものを作る才能ないし。



きちんと制作手法をメモしておけばよかった。
やり過ぎるぐらいやっているので、途中からどのようにして作ったのか、分からなくなってる。