ラブレター

そういえば、ラブレターを書いたことがない。
すごい古風の紙とペンで書くやつ。
書いても渡す勇気が無いことが分かっているから書かなかった。


最近物語をちょこちょこ書いているが、そこにラブレター的な要素を入れている。
愛を語るには自分が未熟な気がして、いままで避けてきた。
だが、その時その時で思った事書いていくこともまた大事なことであろうと思い、最近は書くようにしている。
10代は10代の、20代は20代の、30代は30代の恋なり、愛があると思う。
その時代時代で未熟だろうが、何だろうが、人は人を好きになるし、想いに偽りはないはずだ。


ただ、自分を振り返った時に、
例えば10代の頃は好きな人に話しかけることすら出来なかったり、相手に拒否される事が自分の存在全ての否定につながるような、気持ちがあった。
恋愛をする事は誰にでも起こりうるし、特別な事ではないはずなのに、なぜか、否定的な気持ちが強かった。
そういった自意識が色々なものを避けてきてしまった。
自分が抱えている、コンプレックスの問題と恋愛におけるある種の閉鎖感、焦燥感、悲哀を混同していた気がする。


ただ、相手から拒否されるということはいくつになっても怖いね。



物語を書く行為もまた、日記を書く行為と似ている。
美術作品を作る行為とも似ている。
その時考えていたこと、感じていたことが『出る』からだ。