汚れなき思い

汚れなき思いを抱き続けていたい。


来年もまたその次の年も。ずっとずっと。歳をとっても失いたくない。
誰かを傷つけても構わない生き方は繰り返せない。良心の痛みは耐えがたい。


だから美術をやっている。他に好きなこともあった。いくらでも選べたはずだ。
自分の存在に価値を見つけられないのは辛い。人に認められず、さらに自分で自分を認められないことは辛い。作品が良いとか悪いとか、人に評価されたされないではなく、大切なことは行動することだと自分に言い聞かせ続けた。
口だけのやつを沢山見てきた。
口だけのやつは本当に偉そうだ。世界を支配したかごとく語り出す。自分を棚に上げて。



黙って僕の元から去っていく人もいた。きっと私は理解しがたかったのしょう。
理解されないのも分かる。世界の果てまで進んで行く。どんどん端に向かっていく。
その先が無人の荒野でも、世界の果てでも。僕は僕の足を止めない、止められない。
言い訳をたくさん作る為に労力を割きたくない。
それは茨の道だ。辛くて辞めていく人も居る。その気持ちも分かる。
夢が叶うか、叶わないかという、不安と恐怖と戦い続ける事自体が大変だ。
自分をそこまで信じ続けられるかという問題もある。



『嘘をついて、人を欺いて、気が付くと自分さえも欺いていて。
そんな自分を認めることが辛くてまた逃げる。うるさくて、派手で、気を紛らわせる場所へ。
誰かに会えればいい、何かを話していればいい。気を紛らわせれば・・・。』

そんなのは嫌だ。どうしても嫌だ。正面からぶつかりたい。負けてばかりだけど。負けても諦めなければ本当の負けじゃない。辿り着きたい。行きたい場所まで行きたい。


人に何を言われても、どんな評価であっても全て受け入れようと思う。
最後は身を委ねるしかない。気に入ろうがいまいが私は私と肉体も心も供に過ごすしかない。
覚悟が必要だ。
やるだけはやった。満足はしてない。けどやれることはやった。



バカだね。バカだよ。だからせめてバカを貫かせて。


もう修正は出来ない。過ぎ去った時間を取り戻すことも出来ない。
出来ることはこれから起こすことをより良くするだけだ。


私が今まで過ごした時間の集積が試される。
現時点で、まだ間違った道に行っていないと思えることが唯一の救い。


うぬぼれじゃない。思い込みでもない。


私が発した言葉じゃない。私は黙っていた。
黙々と日々を過ごして、毎日を大事に過ごした。
努力を重ねた。自分に何が出来るかを考えた。生きることに感謝した。精一杯やった。
結果は静かに後でやってきた。