「あなたたち」

私より若い「あなたたち」、私より好奇心を低く持たないで下さい。
あなたたちはもっと新鮮でしょう?
エネルギーがあるでしょう?
時間も好奇心もあるでしょう?
余裕もあるでしょう?


視界に入っていても知覚しなければ、気が付かない。
美大に入ってきた「あなたたち」、どうか一つでも多く、知覚して下さい。
私達の仕事は見る事であり、発見する事であり、それらを知覚する事なのですから。
もう少し言えば見えるのではなく、視るのであり、観るのであり、看るのです。
見えるのではないのです。何となく見えるのではないのです。
私達は視覚と知覚による冒険者であり、開拓者であり、発見者であり、それを伝える役割を持っているのですから。
「身近な視界」を見落とさないで下さい。


年老いた目をしないで下さい。
悲しいから。
余裕のない背中を見せないで下さい。
有り余る若さがあるのだから。