子ども

自分は子どもだと思う。全然エレガントに振る舞えない。
振る舞うことすら出来ず。人に迷惑ばかりかけている。
そのくせやらなくてもいいことばかり無責任にして、被害を拡大させている。


思考の癖が中々直せない。生まれ持った性格だからなのか。
人生は変えられないのか。気付かない間にレールに乗ってしまったのか。
どこに行っても、誰と居ても自分の存在から逃げられない。


何にも本気で考えなければいいのか。適当にその場その場を凌げばいいのか。
軽薄に、流して、気にせず、思い煩わない。

ある日、ふとした瞬間に自分の歩いてきた道を忘れる。
何も残らない。
そうすると何も頼りになるものがなくて驚く。
草原を歩いている自分にとってあらゆる記憶も偉業も意味を持たなくなる。
誰でもないのだから。何をしたとか、過去の経歴はどうでもよくなる。足元の氷は溶けている。
急げ。走り抜けろ。
疾風のように。
今日がいつまでも続くと思うな。
過去にすがるな。そんなものはないのだから。全ては終わったこと。過ぎ去ったもの。



自分を上手く扱えてないのだ。
理性がまだ成長しきっていない。自分を抑えられない。
自分を極端に抑制しようとする。縄で縛る。それも極端。


ひたすら自由になるか。抑制するか。
縛れ縛れ縛れ。そして解き放て。縛られるな。


抵抗しろ。
相手は手強い。


現実は突き放し、冷たい視線を送る。
さあ縛れ。


逃げ続ける獣。
捕らえられぬ不死鳥。見えない龍。
世界を内包する卵。