初夢2

真っ暗だ・・・。

そうだ!
今日がまさに元旦だ。僕は今、夢を見ているんだ。
こんな真っ暗な夢を見ているんだ。

白い、冷たい粉のようなもの。
初雪が見える。なぜ元旦から雪の降る夢なのだろう。


僕は僕の過去を清算しなければならない。


僕は前進するんだ。僕は過去にとらわれないと決めたんだ。


だから僕は今日まともな夢を見る。


好きだったあの子の夢はもう見ない。
嫌いだったあいつの夢ももう見ない。


前に進むのだ。

牛のようにまっすぐ進むのだ。


もし、前のめりに倒れてしまってもかまわない。



大樹マークよ、樹の王子スークよ。紙飛行機少年の空よ。宇宙と一体になった大夢よ。

私に力を貸しておくれ。君たちの力は無限大。君たちは無限の力を持つ、想像力の中から生まれた。


君たちは僕の弱さ。そして求める強さ、すなわち願望の中から生まれた。希望の塊。


幻想は求めない。
ありのままの姿でいい。かっこはつけない。
だからせめて夢を見せてくれ。


お願いだ。



見える。
これは幼き日。
溺れた川、溺れた海。
僕は幼き日の風景を歩いている。
背丈を越えるススキの中。

草むらの中に秘密基地を作ったんだ。
カンカラの中にお菓子をいれた。
数日後に来ると湿気ていて食べれなかった。

見慣れない風景。これは孤独の色。
癒されない、日暮れの風景。
私は家路に着けない。

父が怖くて家に帰れない。自分の家を見つけなければならない。



暗転。
静かな時間。


起きる僕。なぜか涙が出ている。胸が苦しい。
元旦の日。
見た夢を思い出せなかった。


けれど過去の清算がすんだ気がした。