真っ暗だ・・・。
そうだ!
今日がまさに元旦だ。僕は今、夢を見ているんだ。
こんな真っ暗な夢を見ているんだ。
白い、冷たい粉のようなもの。
初雪が見える。なぜ元旦から雪の降る夢なのだろう。
僕は僕の過去を清算しなければならない。
僕は前進するんだ。僕は過去にとらわれないと決めたんだ。
だから僕は今日まともな夢を見る。
好きだったあの子の夢はもう見ない。
嫌いだったあいつの夢ももう見ない。
前に進むのだ。
牛のようにまっすぐ進むのだ。
もし、前のめりに倒れてしまってもかまわない。
大樹マークよ、樹の王子スークよ。紙飛行機少年の空よ。宇宙と一体になった大夢よ。
私に力を貸しておくれ。君たちの力は無限大。君たちは無限の力を持つ、想像力の中から生まれた。
君たちは僕の弱さ。そして求める強さ、すなわち願望の中から生まれた。希望の塊。
幻想は求めない。
ありのままの姿でいい。かっこはつけない。
だからせめて夢を見せてくれ。
お願いだ。
見える。
これは幼き日。
溺れた川、溺れた海。
僕は幼き日の風景を歩いている。
背丈を越えるススキの中。
草むらの中に秘密基地を作ったんだ。
カンカラの中にお菓子をいれた。
数日後に来ると湿気ていて食べれなかった。
見慣れない風景。これは孤独の色。
癒されない、日暮れの風景。
私は家路に着けない。
父が怖くて家に帰れない。自分の家を見つけなければならない。
暗転。
静かな時間。
起きる僕。なぜか涙が出ている。胸が苦しい。
元旦の日。
見た夢を思い出せなかった。
けれど過去の清算がすんだ気がした。