大地と生きる

冬の終わり。
雪は高く立ちはだかり、道は消えている。強大な大地の力に人々はお互いに助け合うことで立ち向かう。
人々はあと少しで春が来ることを知っている。一面の銀色。かすかな音は雪に吸い込まれる。


春。
雪の溶ける音が大地に響く。ある所ではチョロチョロと鳴る。
ある所では早くも虫の声がする。たくさんの子供が生まれる。
時が急に動き出したよう。大風が吹き、春か到来。黄色と若草が喜びを伝える。一斉の芽吹き。


夏。
大地の香りが辺りを包む。植物は成長し、そこここの視界を遮る。米は青々の風景を染める。太陽はギラギラ輝き、夕焼けが漆黒を生む。星星は輝き、彗星が横切る。
何もかもが熱く、激しい対比を生む。
青と緑の若い力が充満する。


秋。田んぼは黄金色になり、栗、柿、紅葉、銀杏などが一斉に色づく。動物も色づき、恋をする。山は愛の会場となる。
夕方の野山は黄金と紅。赤々と燃えるような山と空。一寸の寂しさが胸を過る。
そしてまた冬が来る。


人は大地から生まれ、大地に還って行く。
季節は巡る。
季節は巡る。

大地の呼吸。
息を吸い、吐く。
大地の呼吸は水、霧、雨、虹、雪、川、滝。大地の呼吸は季節を巡らせ、草木を色付かせ、動物に命を与える。激しい愛し、激しく突き放す。



たくさんの感謝。
たくさんの愛。
たくさんの命。
たくさんの大地。


私はあなたと共に生きる。