紙飛行機9

大夢12歳。
彼は夢の中で時折り出てくる少年を探していた。名前は空。
空がやがてとてつもない発明をすることを大夢だけが知っていた。
空に会いに行く。
大夢は両親に告げた。大夢は久しぶりに両親と目を合わせて会話した。
彼はこれから何度も電車を乗り換え空に会いに行かなければならない。
最近やっと新たな啓示が表れ、大夢は空の住んでいる町を知った。大夢は常に引き込もうとする宇宙の意識と戦い、界層を現在に維持しながら空の町へと向かった。命がけの旅だった。

大夢は途中、空の飛ばした紙飛行機を拾った。それが偶然でないことは大夢はよくわかっていたが紙飛行機を手に取った瞬間彼の脊髄に電気が走り、のけ反る。

空の作る紙飛行機には魂が宿っている。空は物神に愛されていたのだ。
大夢は空に会いに行かなければならない理由をさらに深めた。