伊藤ガビン氏のインタヴューから抜粋

2008年3月号 美術手帖 伊藤ガビン氏のインタヴューから抜粋

2004年にスタートした「デジオ」は、タナカさんがネットラジオやりたい、と行って始めたことで、私はそのまとめ役をやっただけです。
ポッドキャストという言葉が出てきたのとほぼ同じ時期で、当時はストリーミングのラジオが主流だったのですが、、設定が面倒だった。
そこでMP3ファイルをウェブ上に置いてみて、これをラジオと呼んじゃえばいいか、と決めたらすごく楽になった。
デジオ」と名付けて、その番組を聞いてメールで返事をくれた人に番組を持つように誘ったらどんどん盛り上がっていったんです。
気軽に毎日更新できるし、収録する空間の生活音が聞こえてきて面白い。
ロサンジェルス在住の人の放送では、通りすぎる車の音が日本と違うね、というような発見があったり。(笑)
 ただのおしゃべりやひとり語りが、「デジオ」というメディアに乗せた事で、パッケージ感が出てきた。たったそれだけのことでコンテンツが現れてきたのです。
(中略)
特別な意識はありませんね。ただ、ツールやジャンルを作るという発明が面白いのです。
ひとつ発明することで人の生活が変わる。そこに一番興味があります。
これは、エンジニアがやっていることとはちょっと違って、トンチみたいなことでもよいのです。
デジオ」はしゃべってホームページに載せただけですから、複雑なことではない。でも、それは、今まで誰もやっていなかったことだったのです。