新潟三日目

外を歩いていると雨のような音が聞こえた。雨が降っているかと思ったら、それは雪の融ける音だった。
春の足音が聞こえた。雪はまだ残っているが森の近くでは鳥がよく鳴いているし、虫も冬眠から覚めたようで、蜘蛛やカメ虫、テントウ虫などを見掛けた。雪にはまった虫は雪の寒さにまた体が動かなくなる。再冬眠。

うぶすなの家での撮影二日目。今日は昨日のツアー客がうぶすなの家で可愛らしい着物を来て訪れた。着物を着ているだけで女性が美しく見える。
うぶすなの家を見学し、昼食を済ませたあと、お茶会をしていた。そういえばおひなさまの日とは、姫の為の日だったか?つまり、女性の日であったか?
ツアー客の全員が女性であったことにここで変に納得。
今日はうぶすなの家でほぼ一日中撮影だった。作品を撮るのはいいのだが、人を撮るのは苦手だ。
作家の多くは人付き合いが苦手だ。職業的にカメラマンをするなら作家にならない方がいい。冷徹にならなければならない。
プロのカメラマンとはカメラの技術を要するだけではなく、人との距離を一気に詰められる人だと思う。もしくは人を物の様に見て撮れる人。
僕はどちらでもない。そして作家のカメラマンではない。職業カメラマンでもない。
本来、映像を撮る為に来ているはずだ。
なのに写真を撮っている時間の方が遥かに長い。