束芋の作品は気持ちが悪い。それなのにどこかユーモラスな所があって見ているとにやけてしまう。しかしそれは皮肉な視点で見た場合に生まれるユーモラスさであり、基本的にはダークでグロテスクであるといえる。
しかし何故に気にかかるのか。美術界で評価されているのか。それは日本人が誰でも持っている負の部分をひけらかしているからだろうと思う。どうしようもない日本人に焦点を当てているのだ。どうしようもない日本人は自らをダメな存在として暗い気持ちで生きて行かなければならないのか?そうではない。束芋は自らも日本人の一人として、ニッポンを好きになりたい日本人の一人として作品を作っているのだ。
だから日本を意識する日本人にとって束芋の作品が気になるのだろう。