美術の話、三夜目

もちろんそれは西洋文化と日本文化の「差」として考えることもできる。行政化したから日本がだめで個人投資する人間が増えなければ西洋に負けているということを単純に言っているわけではない。
ただ前述の点でも、文化的な価値観とか、文化創造に対する意識がかなり違っているし、それが美術界のマーケットや総合的な文化の「差」になって表れている。日本人というのは実に合理主義でそれゆえに世界でも異常な都市、「TOKYO」を作った。
地下鉄一つとってもそう。
海外に行ったことのある方は分かると思うが日本の地下鉄は「異常」である。もし、地下鉄そのものがアートであったならば東京の地下鉄に勝てるものはないだろう。
一万年後くらいに東京の地下遺跡みたいな感じで世界遺産に登録されるかもしれない。そのくらい異常なんです。
世界最大の都市だと思って期待して行ったニューヨークも日本に比べればまだ「まし」だった。東京はビルがあまりにも建ちすぎている。その建築素材はどこから運んできた?

だから、もう、そのパワーって言うのはアートに向けられる必要がないくらい日本人はほかの事にエネルギーを使っちゃってて、芸術に携わる人間は何となく肩身が狭い。

で、話を戻して日本が行政に任せている風潮があるならどうすればいいかという話。個人として美術制作活動していきたい人間はどうすればいいのか。

というか美術と人がどのように関わっていったらよいのだろうかという事を考えていきたい。