華氏911見ました。

イヤーすごい内容でしたな。
単なるドキュメント物かと思ったら違ってました。まず、映画の形態にそって「お話」が作られているのです。もちろん、そのお話も作り話というわけではありません。マイケルムーアの調べたことにそって「本当のこと」が語られている。
この映画の主題は「ブッシュ批判」ではなく、「下層階級が(皮肉なことに)上級階級の安全や自由を守るために命の危険をさらしている」という構図が存在していることだと思う。
その構図はすごく簡単だ。

軍隊の勧誘員が下級階層の仕事がない青年を探す(わざわざダウンタウンまで赴く)→
軍隊に入れば仕事になると入隊を誘う(色々な有名人が過去に軍隊に入っていた事等を教える)→
下級階層出身の軍人は戦地に赴く→
上院議員の子は戦地に赴かなくて済む→
ブッシュを始め、兵器関係、コンピューター関係など軍事行動が起こると儲かる企業は戦争が始まるとすぐさまに会合を開く(こういう連中はブッシュを支持する)→
自由を守る、対テロというキーワードを醸し出し戦争を「正当化」する


戦争は正当化されてはならない。
強きものがより強くなり、富むだけだ。貧しいものは余計に貧しくなる。それは自国だけの問題ではなく、相手側の問題にもつながる。戦争は決して、決して人類を豊かにしない。人類を幸福にしない。戦争は絶対に人類を貧しくする。戦争は絶対に人類を不幸にする。
人間の皮をかぶった欲望の権化が余計に権力を持つだけなのだ。彼らは悪魔や鬼神、死霊に魂を売っている。全く恥ずかしいことだ。
その恥ずかしいことも彼らは恥ずかしいと思っていない。その心が恥である事も分からない。